アシュタンガヨガについて、ポーズの名前と順番(流れ)、マントラを詳しく説明します。
アシュタンガヨガとは、インドの故シュリ・K・パタビ・ジョイス師により、考案された伝統的なヨガの流派の一つです。
アシュタンガヨガは、「八支則」という毎日の礼儀やルールが基本思想として決まっています。
また、「プライマリーシリーズ」をはじめとして、6つのレベルがあり、決まったポーズを順番に繰り返し練習するのが特徴です。
目次
アシュタンガヨガとは?
アシュタンガヨガは、インドの伝統的なヨガ流派の1つです。
「ヴィニヤサヨガ」とも言われる、流れるようにポーズを続けて行うため、運動量が多く、男性にも人気です。
約2500年前に、ヨガの聖者パタンジャリ氏によって編纂されたヨガの経典「ヨーガ・スートラ」の中で説かれる、悟りに至るためのアシュタンガ(八支則)の教えに沿っています。
アシュタンガヨガの特徴について詳しくはこちら↓
八支則とは
八支則とは、ポーズだけではなく、生活に取り入れるべき、方針です。
- ヤマ(禁戒)
- ニヤマ(勧戒)
- アーサナ(坐法・ポーズ)
- プラナヤーマ(呼吸)
- プラティヤハーラ(感覚の統一)
- ダーラナ(集中)
- ディアナ(瞑想)
- サマーディ(三昧)
ヨガのポーズ(アーサナ)だけではなく、「八支則」の行いを毎日行うことで、至福の状態「サマーディ」へと到達することを最終目標としています。
「八支則」について詳しくはこちらで解説しています↓
後にこの八支則をもとに、インドの故シュリ・K・パタビ・ジョイス師により、「アシュタンガ・ヨガ・ビンヤサ」が考案され、現在に伝わる「アシュタンガヨガ」となりました。
効果と期待できる体の変化
- 体力のアップ
- 柔軟性のアップ
- 集中力の向上
- 代謝のアップ
- 同じ順番でポーズをするため、毎日の心身の変化に気づきやすい
しかし、必ずアシュタンガヨガは、「前屈」の後には反対の「後屈」ポーズがあり、何かが苦手でも練習は誰でも取り組めます。
アシュタンガヨガは、ただポーズ(アーサナ)の上達を目指す事を目的とせず、その練習過程で起きる身体と心の変化を重視しています。
練習を積み重ねれば、それぞれの才能や、人生の目標に関わらず、同じようにサポートされ、実現することができると考えられているのです。
「Practice, practice, practice…one day coming」
「とにかく練習・練習・練習… 。そうすれば、いずれ結果がついてくる」
パタビジョイス氏の有名な言葉です。
アシュタンガヨガの流れ
マントラを唱える
アシュタンガヨガのオープニングマントラを、サンスクリット語の発音と、和訳➕意味も含めて紹介します。
Om
オーム
Vande Gurunam Charanaravinde
ヴァンデー グルーナーム チャラナーラヴィンデー
Sandarshita Svatma Sukava Bodhe
サンダルシッタ スワートマ スカーヴァーボーデー
Nih Sreyase Jangali Kayamane
ニッシューレーヤセー ジャーンガリー カーヤマーネー
Samsara Halahala Mohashantyai
サムサーラ ハラハーラ モーハ シャンティエ
Abahu Purushakaram
アーバーフ プルシャーカラン
Shankha Cakr Asi Dharinam
シャンカ チャクラ アシ ダハーリナム
Sahasra Sirasam Svetam
サハスラ シラサム シュウェータン
Pranamami Patanjalim
プラナマーミ パタンジャリム
Om
オーム
日本語訳と意味も紹介します。
至高のグルよ、その蓮の花の御足にひれ伏して祈ります。
グルは純粋な存在に目覚める喜びを教え、密林の薬草医のごとく、
輪廻転生による迷いという毒を消してくださいます。
アディセサ( 白蛇アナンタ )の化身たるパタンジャリよ。
千の輝く頭を持ち、手には分別の剣、火の輪、ほら貝を持つ、その御前に拝みます。
※これはヨガスートラを書いたパタンジャリについて歌っています。スタジオによっては、アシュタンガのクラスでも、マントラは唱えない場所も多いです。
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パタンジャリは蛇だった?!ヨガの豆知識
プライマリーシリーズ(ファーストシリーズ)のポーズの名前と順番
プライマリーシリーズ(ファーストシリーズ)は、立位→座位→終盤のポーズという一連の流れで進みます。
順番 | ポーズの名前 |
---|---|
1 | スーリヤナマスカーラA(太陽礼拝A) |
2 | スーリヤナマスカーラB(太陽礼拝B) |
立ち位のポーズ(スタンディング・シークエンス)の順番
順番 | ポーズの名前 |
---|---|
3 | パダングシュタアサナ(前屈し足の親指をつかむポーズ) |
4 | パダハスタアサナ(足と手のポーズ) |
5 | ウッティタ・トリコナアサナ(三角のポーズ) |
6 | パリブリッタ・トリコナアサナ(上体をひねった三角のポーズ) |
7 | ウッティタ・パルシュヴァコナアサナ(体の側面を伸ばすポーズ) |
8 | パリブリッタパールシュバコナーサナ(上体をひねった体側を伸ばすポーズ) |
9 | プラサリタ・パドッタナアサナ(開脚前屈ポーズ) |
10 | パルシュヴォッタナアサナ(横向きに強く前屈するポーズ) |
11 | ウッティタ・ハスタ・パダングシュタアサナ(伸ばした足の親指を掴むポーズ) |
12 | アルダ・バッダ・パドモッタナアサナ(立位、半蓮華座で前屈するポーズ) |
13 | ウトゥカターサナ(チェアポーズ) |
14 | ヴィラバドラアサナ(英雄のポーズ) |
15 | ダンダーサナ(杖のポーズ) |
座位のポーズ(スタンディング・シークエンス)の順番
順番 | ポーズの名前 |
---|---|
16 | パスチモッタナーサナ(西向き前屈のポーズ) |
17 | プールヴォッターナーサナ(東側をのばすポーズ) |
18 | アルダ・バッダ・パドマ・パスチマッタナアサナ(半蓮華座で西向きに前屈するポーズ) |
19 | ティリアングムカイカパダ・パスチマッタナアサナ(片膝を曲げて西向きに前屈するポーズ) |
20 | ジャーヌ・シルシャーサナ(ひざに頭をつけるポーズ) |
21 | マリーチアーサナ(賢者マリーチのポーズ) |
22 | ナヴァーサナ(船のポーズ) |
23 | プジャ・ピダーサナ(肩を圧迫するポーズ) |
24 | クールマーサナ(亀のポーズ) |
25 | スプタ・クールマーサナ(眠る亀のポーズ) |
26 | ガルバ・ピンダーサナ(胎児のポーズ) |
27 | クックターサナ(雄鶏のポーズ) |
28 | バッダ・コーナーサナ(合せきのポーズ) |
29 | ウパヴィシュタ・コーナーサナ (座位の開脚のポーズ) |
30 | スプタ・コーナーサナ(横たわった合せきのポーズ) |
31 | スプタ・ハスタ・パーダングシュターサナ(立位の脚上げポーズ) |
32 | ウバヤ・パーダングシュターサナ(V字のポーズ) |
33 | ウールドヴァ・ムカ・パスチモッターナーサナ(バランス前屈のポーズ) |
34 | セツ・バンダーサナ(太鼓判のポーズ) |
35 | ウルドゥヴァ・ダヌラーサナ(ブリッジ) |
36 | チャクラーサナ(後ろでんぐり返し) |
37 | パスチモッターナーサナ(座位の前屈) |
終盤のポーズ(フィニッシング・シークエンス)の順番
順番 | ポーズの名前 |
---|---|
38 | サルヴァーンガーサナ(肩立ちのポーズ) |
39 | ハラーサナ(鋤のポーズ) |
40 | カルナ・ピーダーサナ(耳に膝をつけるポーズ) |
41 | ウールドヴァ・パドマーサナ(上を向いた蓮華座のポーズ) |
42 | ピンダーサナ(胎児のポーズ) |
43 | マツヤーサナ(魚のポーズ) |
44 | ウッターナ・パーダーサナ(脚を伸ばした魚のポーズ.) |
45 | チャクラーサナ(後ろでんぐり返し) |
46 | シルシャーサナ(頭立ちのポーズ) |
47 | ウールドヴァ・ダンダーサナ(ハーフベンド) |
48 | バッダパドマーサナ(縛った蓮華座) |
49 | ヨガ・ムドラー |
50 | パドマーサナ(蓮華座) |
51 | ウトゥプルティヒ(浮遊のポーズ) |
52 | シャヴァーサナ(屍のポーズ) |
アシュタンガヨガのスタジオには、シークエンスを覚えていない人のためにポスターなどが張ってあることが多いです。
2000円程度でも売っていますので、家にも一枚あると便利ですね。
参考記事
セカンドシリーズのポーズ一覧
終わりのクロージングマントラ
Om
オーム
swasthi-praja-bhyah pari-pala yantam
スワスティ プラジャービアハ パリ パーラ ヤンタン
nya-yena margena mahim mahishah
ニャイェーナ マールゲーナ マヒン マヒーシャーハ
go-brahmane-bhyah shubamastu nityam
ゴー ブラフマネー ビャハ シュバマストゥ ニティヤン
lokah samasthah sukhino bhavanthu
ローカーハ サマスターハ スキノー バヴァントゥ
Om Shantih Shantih Shantih
オーム シャーンティ シャーンティ シャーンティヒ
日本語訳と意味
子どもたち、子孫の繁栄を導きお守りください。
法と正義の道によって、為政者はこの世をお治めください。
牛や僧侶らなどの聖なる者に永遠に徳がありますように。
世界のすべてのものに幸福が訪れますように。
オーム シャーンティ
参考記事
ヨガのマントラとは?オーム、シャンティ、チャンティングの違いと意味を徹底解説!
アシュタンガヨガのポーズの流れを覚えて自分で練習してみよう
アシュタンガヨガのクラスの流れと、ポーズの順番を紹介しました。
アシュタンガヨガには、自分のペースで練習をする「マイソール」と、先生と一緒にみんな同じペースで行う「レッドクラス」があります。
どのタイプのクラスでも、アシュタンガヨガには、他のヨガ流派と違った「ドリシュティ」と呼ばれる目線や、独特な呼吸のやり方などの特徴があります。
アシュタンガヨガは、ポーズ(ア-サナ)を正しく行うことだけが目的ではありません。
八支則に沿った規則正しい生活を行うことが、立派なヨギーと考えられます。
そのため、運動量が多く、初心者には始めにくいと思われがちですが、とても初心者の方に向いた流派です。
ぜひ一度、近くのクラスに参加してみましょう。
アシュタンガヨガをより現代的にアレンジした、「ロケットヨガ」も、アメリカでは現在とても人気です。
様々なヨガの種類が派生していますので、興味がある方は、色々なヨガを体験してみると面白いでしょう。
よくある質問
などの効果が期待できます。
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