ヨガスタジオなどに行くと、クラスにたくさんの種類があり、最初は何が違うのか困ることもあると思います。
ヨガには、古代のタイプから派生して「現代ヨガ」と呼ばれるようになったものまで、たくさんの種類があります。
伝統的な流派から、新しいヨガスタイルまで、ポーズの違いや特徴などを初心者にもわかりやすく紹介します。
ぜひクラスやスタジオの選び方としても参考にしてくださいね!
目次
古代の四大ヨガ
ヨガには現在、たくさんの種類がありますが、もとは4つの大きな流派に分けられ、「四大ヨガ」と呼ばれます。
これから派生して、さまざまな流派のヨガが現代にひろがりました。
カルマヨガ
紀元前800~500年頃に作られたヨガと言われています。
「カルマ」とは、「奉仕」「行為」という意味があります。
このカルマヨガでは、私達の今生きている人生は全て修行であり、利益や見返りを求めない奉仕・善行を積む事で、前世の罪を浄化することを目指したヨガです。
つまり、現在「ヨガ」という言葉で思い浮かべるポーズなどは行わず、毎日の生活の中で奉仕活動をするヨガです。
バクティヨガ
バクティヨガは、献身、敬愛のヨガと言われます。
インドで最も強く人々の生活に影響を与えているヨガスタイルです。
人々は神やヨガの導師への信愛を祈りや供え物、献身的修行によって表現します。
ジニャーニャヨガ
ジニャーニャとは「知識」という意味です。
ジニャーニャヨガは知識のヨガと呼ばれ、哲学を探求するタイプのヨガです。
ポーズ、呼吸、瞑想は行わず、ヨガの導師からの説教を聞き、本を読み、多くの気づきを得続けるというヨガです。
ラージャヨガ
ラージャとは、「王様」という意味があり、ヨガの王様と呼ばれています。
紀元前2世紀ごろに最初のヨガのスタイルとして体系化されたと考えられています。
瞑想が中心であり、このラージャヨガを発祥にその後多くの流派のヨガに派生していきました。
古代四大ヨガからの派生ヨガ一覧
ヨガの種類はアメリカをはじめとして、より現代人が取り入れやすいようにアレンジされ、常に新しいものが生まれています。
主要なスタイルの運動強度や、初心者向けかのレベルなどを表にしたので参考にしてください。
また、種類によっては、
- 精神的な修行を主にしたもの
- ポーズを主にしたもの
- ポーズ、思想、呼吸、瞑想をバランスよく取り入れるもの
など、流派によって考え方やポーズも違ってきます。
※4大古典ヨガから派生して現代にも取り入れられるスタイルを、一般的に「現代ヨガ」とも呼びますが、その中でも伝統を重視した種類も多く、古典ヨガと現代ヨガの明確な線引きは難しいと言われています。
ここでは、代表的なものを一覧にしています。
アイアンガーヨガ
アイアンガーヨガは、BKSアイアンガー氏が指導するヨガスタイルです。
ブロックやヨガベルトなどのプロップスを使うのが特徴の流派です。
アイアンガー氏は、適切な形でポーズをキープさせ、理想的な身体の使い方を学ぶために、ヨガマットやベルト、ブロックを使った丁寧なアライメント(姿勢)調整を考案しました。
このヨガ器具は今や多くのヨガスタジオでも使われており、現代ヨガに大きな影響を与えています。
アシュタンガヨガ
アシュタンガヨガは、SKパタビジョイス氏によって創始されたヨガです。
ヨガスートラに記されている8支則に基づいたヨガです。
アーサナ(実践)部門に当たり、これを現代人がわかりやすく学べるように具体化されたものです。
決まったポーズを繰り返し行い、ポーズの難易度も高いと言われています。
アシュタンガヨガのエネルギッシュな動きは、流れるように呼吸に合わせて行う「ヴィニヤサヨガ」や「パワーヨガ」の前身となりました。
アシュタンガヨガについては別途詳しく説明していますので参考にしてください。
関連記事
ハタヨガとアシュタンガヨガの違いとは?
アシュタンガヨガのポーズの名前と順番
パワーヨガ
パワーヨガとは、アメリカのロドニー・イー氏によって創設されたアシュタンガヨガを元にしたスタイルです。
フィットネス要素が強く、ダイエットや筋トレなどの効果を目的に人気が高まりました。
ハリウッド女優などに取り入れられ、一時ブームとなったスタイルです。
常温で行う場合と、ホットの環境で行う場合がありますが、いずれも運動量が多く、フロースタイルで行います。
ヴィニヤサヨガ
ヴィニヤサヨガとは、パワーヨガ同様に、アシュタンガヨガの派生のスタイルです。
複数のポーズを組み合わせて流れるように続けて行うため「フローヨガ」とも別名で呼ばれます。
運動量が多いのが特徴ですが、クラスやインストラクターによって、取り入れるポーズは自由のため、自由度が高く、レベルも調整しやすいのが特徴です。
アシュタンガヨガをベースに、ポーズの順番や練習の仕方を、もっと自由に、初心者でも取り組みやすくしたものです。
一般的にパワーヨガの方がフィットネスや筋トレの要素が強いと言われます。
そのため、パワーヨガはよりポーズのキープ時間が長く、一方でヴィニヤサヨガは流れるように呼吸に合わせてポーズを行います。
ロケットヨガ
ロケットヨガとは、アシュタンガヨガをより自由に練習するための新しい流派です。
シュリ・K・パタビジョイス師の元で修行をしたLarry Schultzが創設したヨガです。
アメリカ発祥で、アームバランスや逆転のポーズなどの、チャレンジングなアシュタンガをベースにしています。
伝統にとらわれすぎずに自由に練習するスタイルから、早く効果が期待できるため「ロケットヨガ」と呼ばれています。
参考記事
ロケットヨガとは?ポーズや特徴を解説
シヴァナンダヨガ
シヴァナンダヨガとは、西洋医学医師のスワミ・シヴァナンダによって考案されたヨガです。
太陽礼拝が特徴的で、アーサナだけでなく、呼吸と瞑想の3つを同等に重視しているため「癒しのヨガ」とも呼ばれています。
チャンティングや哲学をしっかり学ぶことができるヨガです。
一つ一つのアーサナへのアライメントを重視しており、アーサナの間で毎回シャバーサナを挟むスタイルが特徴的です。
東京の高円寺にシヴァナンダヨガセンターがあるため、気になる方はぜひ行ってみましょう。
ハタヨガ
現在主流となっているヨガの流派。
「ハ」は太陽・陽、「タ」は月・陰を意味し、身体の陰と陽のバランスをよく保ち調和することを目的としたヨガです。
呼吸とポーズに重点を置いた、現在ヨガの基本として、多くのヨガスタジオの初心者クラスに取り入れられているヨガ流派です。
最もベーシックなヨガとして知られ、初心者も始めやすいヨガです。
一般的なヨガスタジオや、インストラクター養成スクールで学ばれるのはハタヨガスタイルがほとんどです。
ビクラムヨガ
ビクラムヨガ(BIKRAM YOGA)とは、インド出身のビクラム・チョードリー氏によって考案されたヨガの流派です。
ビクラムヨガは、温度40度、湿度40%以上の室内環境で行うので、「ホットヨガの元祖」とも呼ばれています。
26種類の決まったポーズを同じ順番で90分で行うヨガスタイルです。
歌手のマドンナ、レディーガガ、シャーリー・マクレーンなどのハリウッド女優から、多くの有名スポーツ選手やニクソン元米国合衆国大統領まで、多くのセレブリティや芸能人が生徒としてビクラムヨガ(ホットヨガ)を行っていることで知られています。
男性も多いヨガスタイルでスタジオは男女可能なため、カップルや夫婦で通う方も多いです。
参考記事
ホットヨガの元祖!ビクラムヨガとは?
陰ヨガ(Yin Yoga)
陰ヨガは、中国の「陰陽説」「陰陽五行説」に基づいていると言われ、ポーズ時間が長いのが特徴で、経絡を刺激するリラックス系のヨガです。
ハタヨガやアシュタンガなどのよく身体を動かすヨガは(陽的)とされ、その反対に、ゆっくりと身体をストレッチするようにリラックスさせるヨガです。
座ったままのポーズや、仰向けなどのポーズが多く、主に関節などを柔らかくして血流をよくして、心身のこわばりをほぐしていく効果が期待できます。
日頃ストレスが溜まっている方、いつも忙しくされている方におすすめです。
座っているポーズが多く、激しく動くことが無いため、マタニティヨガにも取り入れられています。
陰ヨガのポーズや詳しい解説はこちら↓
関連記事
陰ヨガとは?効果や代表ポーズを紹介!
リストラティブヨガ
リストラティブヨガは、「究極なリラックス」と呼ばれるヨガです。
プロップスをたくさん使い、最も心地いいと感じる場所を探しながら心をリラックスしていきます。
リラックスできる体制を探すためにクッションなどの道具も多く使うため、アイアンガーヨガを元に派生しています。
関節や筋肉を無理に伸ばしたり汗をかいて身体の爽快感を得るのではなく、身体の力の抜き方を学ぶヨガです。
ヨガ初心者の方やリハビリ中の方など、年齢や身体能力に関係なく楽しむことができます。
沖ヨガ
沖ヨガとは、沖正弘氏により日本で考えられたヨガです。
ラージャヨガ、カルマヨガなどの哲学部分と日本の禅や神道の思想、また、体を動かすハタヨガを融合させ、食事などにも言及する「生活のヨガ」とも呼ばれるスタイルです。
食事は菜食主義で瞑想なども重視しており、古典ヨガではありますが、日本の考え方なども盛り込まれたようなヨガです。
エアリアルヨガ
エアリアルヨガとは、天井から布をつるし、布を使って空中でポーズを行うヨガスタイルです。
様々な名前で呼ばれますが、最初に「反重力ヨガ、アンティグラビティ」として考案したのは、ニューヨークのダンサー、Christopher Harrison(クリストファー・ハリソン)氏と言われています。
反重力の中で行うヨガのポーズは、関節が硬い方や腰痛がある方などにも、負担を軽減しながらエクササイズができるため、ニューヨークだけでなく、世界でも人気になりました。
日本でも「日本アンティグラビティ協会」が設立されています。
選び方のポイント
たくさんの種類の中から、自分に合った種類やスタイルを見つけるには、まずは様々なクラスやスタジオを経験してみましょう。
気分や体調に合わせて選ぶこともおすすめです。
多くのヨガスタジオで現在行われているのはハタヨガです。
伝統的で哲学や瞑想なども重視してみたい方はシヴァナンダヨガ。
運動量が多い難易度の高いポーズも練習したい方はアシュタンガヨガがおすすめです。
リラックスしたい、寝る前にしたいという場合は、リストラティブヨガがおすすめです。
古代から多くの流派のヨガがありましたが、現代人により受け入れられやすいように、ヨガも変化を続けています。
特にアメリカでは、ハリウッド女優が始めたことでブームとなった、フィットネス感覚の強いパワーヨガ、さらにはハンモックにぶら下がってヨガを行う空中ハンモックヨガ(エアリアルヨガ)など、今やヨガは様々な形に姿を変えています。
ぜひ色々な種類のヨガを受けてみて、あなたに合ったスタイルを探してみましょう。
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