なぜヨガをしている人、ヨガインストラクターはベジタリアンが多いのでしょうか?
もちろん、ヨガをする上でベジタリアンにならなくてはいけないわけではありません。
しかし、インストラクターに菜食主義の方は多いです。
でも、お肉を食べる人もいます。
ベジタリアンになった方が、ヨガに効果があるのでしょうか?
ヨガ=ベジタリアンと思われる理由や、ベジタリアンの種類、インドでの菜食主義への考え方、古代ヨガの考え方も含めて説明します。
ベジタリアンの種類とヴィーガンとの違い
「ベジタリアン」「菜食主義」といわれますが、種類がたくさんあります。
また、最近よく聞く「ヴィーガン」とも正確には違いがあります。
以下、ベジタリアンの種類を説明してみます。
●ビーガン/ヴィーガン (Vegan) 完全菜食主義者
乳製品、蜂蜜等も含む、動物性の食品を一切摂らない人。
革製品など、食べるもの以外の動物製品の利用も避ける。
ベジタリアンの中でもかなり厳格な菜食主義者です。
●ダイエタリー・ビーガン (Dietary Vegan)
ヴィーガンと同様に、植物性食品の食事をするが、食用以外の動物の利用はするという、ビーガンの少し緩やかなタイプ。
●ラクト・ベジタリアン (Lacto-vegetarian) 乳菜食者
肉や魚、卵は食べないが、牛乳やバター、チーズやアイスクリーム等の乳製品は食べる人々。
●オボ・ベジタリアン (Ovo-vegetarian) 卵菜食者
卵も食べる人々。
卵は無精卵に限り摂る人もいます。
●ラクト・オボ・ベジタリアン (Lacto-ovo-vegetarian) 乳卵菜食
上の二つの掛け合わせで、肉類は食べないが、乳製品と卵は食べる人々。
日本でベジタリアンを始めるならこれが一番入りやすい。
●ノンミートイーター(Nonmeat-Eater)
肉を食べない非肉食者ですが、魚、鶏、魚介類、動物性油脂、骨粉、皮膚を食べる。
●ペスクタリアン (Pescetarian)、ペスコ・ベジタリアン (Pesco-vegetarian)
フィッシュ・ベジタリアンとも呼ばれます。
ベジタリアンとの違いは、肉は食べませんが、魚は食べる人。
●セミ・ベジタリアン (Semi-Vegetarian)
世間一般の人より少ない肉を食べるスード・ベジタリアン。
他にもフルーツやナッツを好んで食べる、フルータリアンなどたくさんの種類がありますが、大まかには以上です。
ヨガをする人にベジタリアンが多い理由
なぜ、ヨガをする人にはベジタリアンが多いのでしょうか?
前提として、ヨガをする人もお肉を食べていいですし、ベジタリアンになることが決まりというわけでは全くありません。
実際に、聖地インドのアシュラムやインドのインストラクターにも肉を食べる人がいます。
日本では食文化の理由もあり、ヨガのインストラクターでもベジタリアンの人はそれほど多くありません。
しかし、それでもヨガをする人にベジタリアンの方の割合は多いです。
その理由は、消化の問題。
野菜に比べて、肉類は消化するのに消化器系への負担が大きいです。
つまり、肉類を消化するために胃腸はより多くの血液・プラナ(エネルギー)を必要とします。
また、消化することに時間がかかってしまいます。
これは結果的に、ヨガの修行をする際に効率が悪くなるため、ベジタリアンになる方が多いのです。
ヨガの最終目標は瞑想と精神の統一です。
もし前日に焼肉をたくさん食べすぎて胸焼けした状態では、気分が悪くて瞑想に集中できません。
また、体の中に消化しきれていない食べ物が残っていると、倒立やヘッドスタンドなどのポーズもできません。
そのため、消化によく、エネルギーを消耗しない菜食主義がヨガでは古くから取り入れられているのです。
ヨガを極めるにはベジタリアンになるべきか?
結論から言えばNoです。
一人一人、個人に合った食のスタイルは違います。
筋肉質であった人が、急にベジタリアンになるとたんぱく質不足で非力を感じるでしょう。
ヨガの流派にもたくさん種類がありますが、ビクラムヨガやアシュタンガヨガをする方には筋力とスタミナが必要です。
もちろんベジタリアンでも豆などからたんぱく質を摂取できますが、これらの流派のヨガを極めるために、筋肉をつけるために肉を食べることも選択肢の一つです。
つまり、どのような食生活を送るかは「あなた次第」ということです。
数日お試しベジタリアンのすすめ
自身に合った食事スタイルを見極めるために一度数日だけベジタリアン生活を試してみることをおすすめします。
調子がよく、便通もよくなります。
頭がすっきりしてヨガにも打ち込みやすいという方は身体に合っている可能性があります。
しかし、力が出ず、なにもする気にならない。お肉を食べたくて他のことに集中できない。
という方は、無理してベジタリアンになる必要はありません。
その方の生活にはお肉が必要なのです。
手軽に日本で試すならラクト・オヴォベジタリアン
世界では、もともと宗教的な理由で肉を口にしない地域や人々がたくさんいます。
そのため、中東やインド、そしてその移民の方が多いアメリカやヨーロッパでは、既にヴェジタリアンは浸透しています。
レストランに行ってもベジタリアンメニューが必ずあります。
しかし、日本は歴史的にも多くの宗教を持つ国ではありません。
また、島国としてお魚を食事に取り入れている文化です。
そのため、国際化が進んだ今でも、なかなか厳格なベジタリアンを貫くのは難しいでしょう。
まだレストランにはベジタリアンメニューを別途置いているところは少なく、また、同僚や友人と飲みに行けば焼鳥屋や焼肉屋に行くこともあります。
ここで何も食べないというわけにもいきません。
「ヨガを極めるためにベジタリアンになるんだ!」
という想いから、このような飲み会に一切参加しない、などとしてしまうと、あなたの社会性が閉ざされる結果になってしまいます。
ヨガは本来、生活を豊かにするもの。
無理をするのは禁物です。
焼き鳥屋のお誘いがあれば、その日の夜は特別肉を食べる、又はできるだけ他の野菜串などを選べばよいのです。
私もできるだけベジタリアンを心がけていますが、無理せず、肉も機会があれば取り入れます。
ベジタリアンであるが故に、友人に気を遣わせてしまうことを、心地よいとは私は感じないからです。
ヨーガの哲学では「生きるために食事」をし、質素で、かつ「自然で新鮮なものを摂る」という事が心掛けられています。
おいしいものをおいしい時に感謝して食べ、身体に合ったものを取り入れていけばよいのです。
インドにヨガ留学をインストラクターの資格を取得しに行くと、その期間はベジタリアンの食事を提供するアシュラムやヨガスクールが大部分です。
インドへのヨガ短期留学なども検討されている方はこちらの記事も参考にしてください。
ヨガの哲学についてもっと興味がある方は、こちらの本もおすすめです。
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