全米ヨガアライアンス認定のヨガインストラクター資格、RYT200の養成講座(TTC)に参加すると、最後に卒業試験があります。
大抵の場合、「インストラクターとして、人にヨガを教えられる知識とスキルが身に付いたか」をテストをする内容です。
テストの内容や基準は、スクールによって様々です。
そこで、実際にテスト経験者の筆者の経験談を含め、テストの内容や難しさを紹介しますので、「参考」としてもらえれば幸いです。
RYT200とは?
「全米ヨガアライアンス」とは、アメリカが本部の国際団体です。
質の高いヨガインストラクターや教育者を養成することを目的に、カリキュラム基準を定めたり、認定ヨガ指導者などの登録を行う非営利団体です。
「全米ヨガアライアンス」が発行する「RYT200」「RYT500」をメインに、シニアヨガやマタニティヨガなどの資格もあります。
世界でも知名度が高く、「全米ヨガアライアンス」認定のRYT資格を取得したインストラクターは、日本国内だけでなく、世界各国で通用するスキルとして証明できる資格として多くの人が取得しています。
資格取得費用の相場や期間の概要は表を参考にしてください。
資格取得の相場 | 40万円~60万円程度 (スクールによる) |
資格取得の期間 | 最短14日~数年 (スクールによる) |
公式サイト | https://www.yogaalliance.org/ |
日本でも資格取得スクールはたくさんあります。
おすすめスクールはまとめていますので参考にしてみてください。
RYT200のカリキュラム
RYT200資格取得のための試験内容、テストの問題は、インストラクター養成講座(TTC)で学んだカリキュラムの内容から出されます。
カリキュラムは、ヨガアライアンスによって大まかに決められています。
そのため、どのスクールに行っても、ヨガアライアンスが定めた最低限の学習時間と内容を網羅した内容を学びます。
RYT資格取得に必要な最低限の項目は、座学(ヨガの歴史・哲学・解剖学について)と、実技(ポーズの指導)に分かれています。
項目 | 最低時間 | 内容 |
---|---|---|
実技練習 (Techniques Training/Practice) |
100時間 | 一般的なアーサナの練習。 |
指導学 (Teaching Methodology) |
25時間 | インストラクターとしてクラスを持ったとき、どのように生徒をアジャストメント(ポーズの修正)をするかの勉強。 |
解剖学 (Anatomy and Physiology) |
20時間 | 身体構造について学ぶ。 |
ヨガ哲学 (Yoga Philosophy) |
30時間 | ヨガの聖典と呼ばれる「バガヴァットギータ」「ヨガスートラ」について。 |
実習 (Practicum) |
10時間 | ポーズの練習や指導のやり方の実習 |
以上の、ヨガアライアンスが定めた、「最低限学ばなければならない時間と項目」を、RYT養成スクールやスタジオで学びます。
その規定の時間以外で、スクールは独自のレッスンをしたりしていますので、違いが出てくるのです。
取る資格の種類や流派によって違いもあるため、参考程度にしてください。
この基準は世界共通のため、日本でもアメリカでも、インドやバリでも大まかには同じです。
海外へのヨガ留学に興味のある方はこちらもチェックしてみてください。
参考記事
海外ヨガ留学!ハワイ・インド・バリ他~インストラクター資格RYT200の費用と概要
卒業試験の内容と概要とは?
ヨガインストラクターの資格200を取得するには、ほとんどのヨガスクールでは最後に資格テストがあります。
テスト内容や、重視するポイントはスクールによって変わってきます。
一般的には、内容は、実技と筆記を実施しているところが多いです。
コースで学んだ内容を網羅する内容のテストを実施するスクールがほとんどです。
以下は、一般的な例と実際の私の体験を紹介していますので参考にしてください。
実技試験の内容とポイント
実技試験の内容は、RYT養成講座のカリキュラムの中の、「指導学」にあたる部分の試験です。
私の卒業したスクールでは、実際に60分のクラスを自分で組み立ててデモクラスをします。
合否のポイントとなる実技でチェックされる点は以下でした。
- クラスの組み立て方(時間配分やポーズの選び方)
- 生徒にヨガのポーズの取り方を順序立てて伝えられるか
- 安全な方法で調整(アジャスト)をしてあげられるか
- 心地よい呼吸のカウントの仕方ができているか
テストのやり方は、デモクラスを行い、一緒に学んでいた生徒に、ポーズの調整(アライメント)をしてあげます。
それを先生がチェックして採点する場合が多いでしょう。
最初の挨拶から、シークエンスの組み方(目的に沿ったポーズの組み立て方)、そして最後の締めの言葉まで、全て自分でできるようになっておきましょう。
デモンストレーションする時間は、スクールによって様々です。
1時間のテストの時間で2人(30分ずつ)や4人(15分ずつ)などと分けて行うところもあります。
筆記試験の内容とポイント
筆記試験は、カリキュラムの「解剖学」と「哲学」の部分に当たる試験がほとんどです。
私の受けたテストで、回答させられた問題は以下のようなものでした。
・ヨガとは何か
・ヨガの歴史
・ヨガ八支則
・チャクラとは(名前や場所、司るもの)
・チャンティング、ムードラー、バンダとは
・呼吸とは、ヨガ呼吸の種類と効果効用
・ヨガの一連のポーズ組み立ての仕方
・ヨガのポーズの名前とその効果効用
(私の場合は、先生がポーズを選び、生徒が効果を回答する方式)
・関節の動き、可動域など
全て記述式で回答しました。
チェックされるポイントはスクールによって変わります。
哲学を重視するスクールは、より詳しく歴史や哲学を勉強し、解剖学重視のスクールは、図解で解剖学の勉強もしっかりしておくことをおすすめします。
問題集やおすすめの本
試験対策となるような問題集はありません。
ヨガ哲学は苦手で、筆記試験が心配な方は、事前に「ヨガスートラ」を読んでおくことをおすすめします。
ヨガスートラは古典なため、授業でも退屈に感じ、難しいと思う方も多いかもしれませんが、現代人に分かりやすい書き方で説明している内容の解説本がありますので、ぜひ読んでみてください。
東京の有名なインストラクタースクールである「アンダーザライト」の講師が著者です。
ポーズの注意点や、ポーズの効果、軽減法などは、スクールのテキストや、ポーズの本を参考にすると良いでしょう。
ポーズのやり方だけでなく、効果効能と、「どのような人が避けるべきか」などもしっかり勉強しておきましょう。
ヨガの哲学やポーズなど目的別におすすめの本をまとめていますので、参考にしてください。
試験の難易度
試験は、スクールによって変わりますが、コースの内容をしっかりと理解していれば、難しいものではありません。
筆記試験と実技試験の重要度の割合についても、スクールによって変わります。
筆記が〇%で実技が〇%という明確な決まりや、合格点の基準は、アライアンスでは決められていません。
しかし、アライメント(指導法)や、シークエンスの組み立て方を重視して試験する学校が多いようです。
ヨガの各ポーズの指導がきちんとできる講師でなければ、クラスを担当した時に生徒に怪我をさせる恐れがあり、危険だからです。
卒業までにできないポーズがあっても、重大な問題ではありません。
プロのヨガのインストラクターにも、できないポーズがたくさんあります。
人の体型や骨格はそれぞれ違う上に、卒業試験では、ヨガポーズのやり方よりも、ポーズの安全な指導法を重視する傾向にあるためです。
合格率は高い?
ヨガインストラクター試験の合格率は、一般的に高いと言えます。
再試験を実施するスクールも多く、「資格取得100%」を保証するスクールもあります。
あまり緊張しすぎずに、自分らしいヨガクラスを提供できるように、デモクラスにも臨むといいと思います。
まとめ
ヨガインストラクターRYT200の資格試験では、合格の基準やテストの内容が一律で決められていません。
多くの場合は、筆記と実技のテストがあり、インストラクターとしてデモンストレーションのクラスを実施しています。
クラスの組み立てや、話仕方、ポーズの説明の仕方などを練習しておくと良いでしょう。
実技試験では、ヨガのポーズをチェックされるよりは、クラスの組み立て方や、インストラクションの仕方、アジャストの仕方をしっかりと学んでおくことをおすすめします。
スクールによって、試験の方法や重視するポイントが様々です。
個人的には、安全にポーズを指導するために、「解剖学」をしっかりと教えてくれるスクールは、将来の知識として指導の役に立つため、おすすめです。
模擬クラスをする場合は、緊張して失敗するかもしれません。
しかし失敗してもスクールの講師は、どこが改善すべき点かを教えてくれるでしょう。
RYT200取得や、インストラクターの重要なポイントは、「安全に、クラスを行えているか、生徒をサポートできているか」という点です。
再試験になってもリラックスして、あなたらしいレッスンを提供できるように、頑張りましょう!
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