シンギングボウル(シンギングボール、チベットボウル)を知っていますか?
美しい音色を奏で、癒しやストレス解消効果を持ち、瞑想の手助けをしてくれるシンギングボウルは、日本にも愛用者が多くいらっしゃいます。
日本全国で展開しているヨガスタジオ「LAVA」でも、
陰ヨガでの瞑想、シンギングボウルヒーリングや、音浴会で使用されています。
元々は伝統のある仏具のため、敷居が高いと感じる方もいるかもしれませんが、
今はインターネットで簡単に手に入れられるものもありますし、CDやYOUTUBEで手軽にBGMにすることもできます。
この記事では、購入する時の選び方や使い方、効果について紹介いたします。
目次
約3000年の歴史をもつシンギングボウル
シンギングボウルは、別名「チベタンボウル」とも呼ばれる、古くからネパール仏教やチベット密教で使われてきた神聖な法具のひとつ。
約3000年も前に、チベットのラマ僧が神に捧げるための儀式のために使っていた仏具だと言われています。
仏具のシンギングボウルは金・銀・水銀・銅・鉄・スズ・鉛の、7種類の金属を混ぜてつくられるのが基本です。
大きさは一般的には直径10cm前後のものが多いですが、直径数cmの小さなものから、大きなものは100cm近いものまであります。
近年では、シンギングボウルが持つ効果を目的として、ヨガや瞑想に用いられることも増えてきています。
シンギングボウルの効果
この投稿をInstagramで見る
シンギングボウルが持つ効果はさまざま。
その音色は潜在意識にまで働きかけるといわれており、
奏でることによる効果はもちろん、聴くだけでも癒しの効果を受け取れるでしょう。
・ストレスの解消
・集中力、想像力、直感力の手助け
・リラックス効果
・エネルギーの詰まりをほぐし体調を整える
・浄化、オーラやチャクラを整える
・不眠の改善
上記に挙げたもの以外にも、
呼吸の安定や深い瞑想へ導いたり、乱れた気を取り除いたり体の調子を整えるなど、ここでは挙げきれないほど多くのヒーリング効果があるといわれています。
シンギングボウルの癒しの秘密
シンギングボウルの出す音は、「倍音」と呼ばれる音色が特徴です。
この倍音は、音が何層にも重なっているような深くてふしぎな音色に聞こえます。
シンギングボウルの倍音がもたらす効果は、科学的に証明されているものなんですよ。
自然界に存在する癒しの「1/fゆらぎ」
1/fゆらぎ (エフぶんのいちゆらぎ) とは、パワー(スペクトル密度)が周波数fに反比例するゆらぎのこと。ただしfは0より大きい、有限な範囲をとるものとする。
自然界に存在するものは、すべてゆらいでいます。
そしてゆらぎ方には種類があり、心地よさを与えるゆらぎが存在します。
周波数を表す記号が「f」。1/fゆらぎは、音と深いかかわりがあります。
この1/fゆらぎが発生するメカニズムはまだはっきり解明されていないものの、
小鳥のさえずり、波の音など、自然界に多く存在する癒しの性質です。
そして、人の心拍リズムにも1/fゆらぎが存在していると言われています。
人の体の約60%以上を占めている水分に大きく影響して、からだも共振し、気持ちのゆらぎを落ち着けてくれます。
脳波で体とこころの疲れを和らげる
そして、シンギングボウルの持つ、この1/fゆらぎという性質は、
脳が活発化しているときの脳波であるβ波から、安らかな気分でいるときのα波に導いてくれるそうです。
α波は、ストレス緩和や集中力向上・記憶力の向上の効果があることで知られています。
ヒーリングだけでなく、深い瞑想状態へも導く道具としても活用されているシンギングボウル。
せっかくヨガを行うのであれば、なんとなく…という理由で避けてしまうのはとてももったいないですよね。
ただ、こうやって科学的にも効果があると言われているものなので、
人によっては、耳の聞こえ方の繊細さだったり脳波が感じやすかったりで、苦手な方がいるのも仕方がないことかもしれませんね。
おすすめのシーン
瞑想をする方ならその時のBGMとして使えるのはもちろん、
普段の生活に取り入れるのもおすすめです。
空間の浄化の効果もあると言われているので、プラスのエネルギーを取り入れることができるでしょう。
ヨガをする方であれば、無音の中でも、心地良い音楽の中で行うのも、それぞれの良さがあると思います。
多くのCDも販売されているので、その日の気分や動作に合わせて変えるのもよいと思います。
シンギングボウルを奏でてみよう
基本的な演奏方法
シンギングボウルの基本的な奏で方をご紹介します。
必要なものは、シンギングボウルと木製のスティック(もしくはマレット)。
木製の棒に、皮や合成皮革などでくるんだ専用のスティックがあります。
この投稿をInstagramで見る
まずシンギングボウルをそっと手のひらの上にのせ、
スティックで、ボウルのフチをゆっくりと撫でるようにまわします。
すると、ボウルの内側で音が共鳴し、美しい倍音が響きます。
ポイントは、しっかりボウルを握って包み込んでしまわないこと。その逆で、手を反らせすぎないこと。
手には軽く乗せてあげましょう。
慣れるまではきれいな音がなかなか出せないかもしれませんが、何度か練習しているうちに、安定した美しい音色を楽しめるようになるでしょう。
そして、慣れてきたら次のことも試してみてください。
環境を整える
この投稿をInstagramで見る
できれば、静かな環境で、正座かあぐら(スカーサナ)などで座り、背筋を伸ばしてきれいな姿勢をとりましょう。
腹式呼吸でからだの中に空気を取り入れ、息をゆっくり長く吐き出すことを数回繰り返し、からだの力を抜いて落ち着いた気持ちではじめるとよいですね。
疲れがたまっていたり体調がよくなかったりすると、いつもとは違う音だったり鳴りにくかったりするかもしれません。
シンギングボウルは自分でも気づかないその日の調子を教えてくれます。
奏で方に特別な決まりはありません。
ボウルに棒を軽くあてて倍音を響かせたり、まわす速さや強さを変えて、色々ためしてみるのもよいでしょう。
あなたがその日、いちばん心地良いと思える音色を探し出してみてください。
シンギングボウルの選び方
自分の目的を考えよう
エスニック雑貨やお土産用に作られた手軽で安いものから、
瞑想やヨガ、セラピーなどに用いられる本格的なものなど様々なものがあります。
ただ良いものや高いものを選ぶことよりも、ご自分の目的に合わせて選ぶことが大切です。
本当に安いものであれば、amazonで2000円ほどのものから始められます。
手作り品と機械生産品
シンギングボウルには、一品一品手作りされたものと、機械により生産されたものがあります。
高価にはなりますが、手作りされたものが人気です。
手作りのものは、機械のような正確性ではなく少しいびつだったりして味があるものが多く、それぞれが微妙に違った音を出す面白さがあります。
そのため手作りを選ぶ場合は、お店などで直接実物を試してから購入するのがおすすめですが、
シンギングボウルの協会認定の、手打ちで鋳造されたものもamazonで販売しています。
個人的には、扱うのが初めての方は、機械製のものを選ぶのがよいと思います。
ボウルの厚みが均一で、初心者でもきれいな音が出しやすくなっています。
慣れたらぜひ、手作りのものにも挑戦してみてください。
一品モノを使いつづけていけば、あなただけの特別なシンギングボウルになることでしょう。
材質
金・銀・水銀・銅・鉄・スズ・鉛の7種類の金属を混ぜてつくられた、セブンメタル製といわれるものがやはり人気ですが、
ネットで販売されているほとんどのシンギングボウルは黄銅や青銅、真鍮からできているものでしょう。
材質によって、それぞれ音色は変わってきます。
どの材質でもそれぞれの良さがありますので、まずは気に入るものを選ぶのがおすすめです。
大きさ
この投稿をInstagramで見る
大きさは、仏壇に置いてある「りん」のような小さなものから、大きなサラダボウルほどのものまで様々です。
シンギングボウルは、大きさによって音の高さや音の大きさが異なります。
ものや鳴ら仕方によっても変わりますが、小さいものは音が高いものが多いです。
音の大きさは、ボウルの大きさとほぼ比例します。
初めて購入する方や、お家で気軽に使いたいという方は、手のひらにのせられる程度の大きさが扱いやすいでしょう。
すでにシンギングボウルをお持ちの方は、お持ちのものとは違うサイズで音のバリエーションを増やして楽しみましょう。
外観
シンギングボウルは、外観も重要なポイントの一つです。
マントラや、ロータス、ガンター、シュリーヴァスタ、そしてブッダなど、伝統的な柄や美しい模様、彫刻などの美しい文様が施されているものも多くあります。
音色だけではなく、視覚的にも楽しく癒してくれたり、荘厳な気持ちにさせてくれるでしょう。
シンギングボウルを楽器として使いたい人や、シンプルなデザインが好きな方は、何も書かれていない金属だけのデザインがよいですね。
音に集中しやすくしたシンプルデザインも人気です。
自分の好みに合ったデザインを選ぶとよいでしょう。
まとめ
ヒーリングに使われるツールが世の中に数多く存在している中で、
シンギングボウルは、手のひらにも乗る、こんなにシンプルなかたちの癒しの楽器。
シンプルですが、とても深い癒しの効果が隠されている神秘の音を奏でます。
ぜひ一度、ヨガの中に、古くからチベットで伝わる美しい音色を取り入れてみてはいかがですか?
心を落ち着かせる音が、慌ただしい日常の思考を一旦リセットして、プラスの考え方に導いてくれることでしょう。
コメント