「ヨガのレッスンで身体を触られるのが嫌だ」
「これはセクハラ?」
と感じたら、どのように身を守ればいいのでしょうか。
アメリカでも2018年に「#Mee too」運動として「ヨガセクハラ」が話題になりました。
大切な自分の身体を、自分で大事に守るために。
何が大切なのでしょうか。
目次
ヨガでセクハラ!アメリカの「#Me Too」運動とは
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アメリカ人のヨガインストラクターであるRachel Brathen (レイチェル・ブラゼン:@Yoga_Girl) さんが、2017年に自身が経験したヨガでのセクハラ経験をシェアしました。
これらは2018年には300以上ものストーリーとなり、たくさんの世界中のヨギー達が自分の経験を悟りました。
これまでヨガのクラスは、「心身をリラックスして健康を目指す場所」と認識されていたも関わらず、
世界中でとても多くの人が「ヨガをする中でセクハラされた経験がある」という事実に世界中が驚きました。
このアメリカのヨガインストラクター1人のポストが、世界でのヨガセクハラに対する抗議運動に発展したのです。
有名流派の創始者も
ヨガのセクハラとして訴えられるなどの事件では、「ビクラムヨガ」のBikram Choudhury(ビクラムチョドリー)氏が日本でもニュースに取り上げられていました。
実はそのほかにも多くのヨガの伝統流派として知られている有名な創始者たちが、セクハラ疑惑で訴えられていたのです。
アシュタンガヨガの創始者として知られるShri K. Pattabhi Jois(パタビジョイス)氏も、2010年からアシュタンガヨガの聖地として知られる彼のインドのマイソールやアメリカを廻って教えている際に、彼からセクハラを受けたという人が何人も声を上げています。
そのほかにもアニュサラヨガの祖であるJohn Friend(ジョンフレンド)氏も、2012年に訴えられています。
※参考:NEW YOKER記事より(原文英文)
セクハラが長い間注目されてこなかった理由とは
「#Me too」運動をきっかけに、これまで注目されていなかったセクハラについて、以前セクハラを受けていた生徒なども公表をしました。
それまで「セクハラ」が公表されてこなかった理由は、たくさんあると言われています。
一例として、以下があるでしょう。
・アジャストや指導のために必要なボディタッチとそうでない場合の見極めが難しい
・もしもインストラクターにその気がなかったら申し訳ない
・自分の発言でインストラクターやクラスメイトに嫌な思いをさせてしまうのではないかという遠慮
・尊敬する先生だからある程度のボディタッチは気にならない(無視しようとする)
時代や宗教的な感覚の違いと言えるのか?
「#Me too」運動に対する意見は様々あります。
宗教的や習慣など個人の間隔の違いにより、「セクハラ」だと感じるレベルは違うという意見もあるのです。
また、昔は日本でも学校で体罰が今よりも厳しくなかったように、他人に対する接触は昔と今では認識の違いがあるという意見もあります。
確かに人それぞれ「居心地が悪い」と感じるボーダーラインは違います。
同じ事をされても「嫌だ」と感じる人と、何も思わない人もいるかもしれません。
しかし私は、「ヨガ」というクラスの中で、先生を尊敬する生徒が「気持ち悪い」と感じることがあっては決していけないと思います。
一人一人感覚や考え方は違うからこそ、それぞれを尊重して、誰もが気持ちよく安全にヨガができる事が理想だと思うのです。
レッスンで身体を触られるのが嫌な時の対処法
ヨガのレッスンで、ポーズを直される(アジャストされる)のが嫌だという方は、実は結構多いのではないでしょうか。
女性だけでなくもちろん男性も、異性に触られるのは違和感があるかもしれません。
無理に腰をひねられたり、無理やり背中を押されたりすると、ケガや痛みの原因にもなりかねません。
日頃からストレッチなどを行っていて慣れている方はよいかもしれませんが、そうでない方や以前ケガをしたり不安な箇所がある場合は、触られるのは怖いです。
私自身、腰に不安があり、ヨガのクラスでは特にツイストのポーズなどは触られると「ボキ」っと行きそうな気がして怖いです。
レッスンで身体を触られるのが嫌な場合は、意思表示をしましょう。
「触られるのが嫌な人は教えてください」とインストラクターがレッスン前に言うこともありますが、この時に手は上げにくいかもしれません。
インストラクターさんに悪いような気がするからです。
一人一人アジャストに近くに来た場合に、「今日は大丈夫です」と言うか、触られる前にチャイルドポーズでお休みするのもいいでしょう。
インストラクターさんはこれで気分を害すことはありません。
お互いが気持ちよくヨガができるように、嫌な場合は恥ずかしがらずに事前に「触られることは苦手」という意思表示をして身を守ることも大切だと感じます。
しかし、レベルが上がるにつれて、やはりアジャストやサポートは必要になってきます。
逆立ちのサポートを数人の生徒でお互いに助け合ったりなども多いでしょう。
自分の目指すヨガを考えながら、「どこまでが可能か、どのような内容なら気分を害することなく練習できるか」、アジャストについても考えてみることが大切です。
個人的な経験からアメリカと日本の違い
個人的な経験ではありますが、日本よりもアメリカのインストラクターは、アジャストは口頭中心です。
実際に身体に触れることは、それほど多くありません。
流派にもよるかもしれませんが、多くの先生が「アジャストで身体を触れられたくない方はいますか?」と冒頭で聞くことも多いです。
色々な宗教の人がいるお国柄だからかもしれません。
これはセクハラ?と感じたら
ヨガのレッスンの中で違和感や嫌な気分になったら、そのままにせずに相談をしましょう。
直接インストラクターに言うのは難しくても、フロントの方や他のスタッフなど言いやすい人で構いません。
嫌なことをそのままきちんと伝えるのが言いづらければ、触られることが苦手だと遠回しに伝えるだけでも大丈夫。
きちんと尊重してくれるはずです。
ヨガを楽しく安全に行う環境を作ろう!
嫌な思いをしていると伝えてもらうことは、インストラクター側にとっても大切なことです。
もし悪気がなかったとしても、生徒が嫌だと感じさせてしまっていたならば、今後同じことが起きないためにもきちんと知って受け止めるべきだからです。
身体の痛さの度合いや気持ち、こころの部分は、目に見えるものではありません。
それぞれの心身は違いがあることを理解して、
気持ちよくヨガができる環境を作っていけるのが理想ですね。
参考:英語版ヨガジャーナル
Rachel Brathen (レイチェル・ブラゼン)さん公式サイト
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