ヨガのクラスの最後に行う「シャヴァーサナ=屍のポーズ」。
サンスクリット語で「Śavāsana(シャヴァーサナ)」と書き、
英語では「Corpse Pose(コープス・ポーズ)」とも呼ばれます。
「Śava(シャヴァ)」が「屍(しかばね)」、「Asana(アーサナ)」が「座・ポーズ」を意味する言葉。
その名の通り、動きを止め、全身の力を完全に抜いて横たわることで、心と体の静けさを取り戻していくポーズです。
この記事では、ヨガを学ぶ中でよく耳にするこのポーズの意味や目的について、わかりやすく解説していきます。
目次
シャヴァーサナとはどんなポーズ?

「屍(しかばね)のポーズ」を意味するシャヴァーサナ。
ヨガのクラスでは、体を動かすアーサナや呼吸法の練習を行ったあと、最後にこのポーズで心身を落ち着けていきます。
マットに仰向けになって、目を閉じ、静かに呼吸を感じるあの時間。
「この時間って本当に必要?」「いらない」と感じている方もいるかもしれません。
確かに、ポーズで体を動かしたあとの「休むだけの時間」は、一見シンプルすぎて、その時間がある理由が分かりづらいですよね。
ですが、ヨガにおいてシャヴァーサナは単なる休憩ではなく、心と体のバランスを整えるための大切なプロセス。
練習の締めくくりとして取り入れることで、動きの中で生まれたエネルギーが体全体に広がり、深いリラックス状態を得られるとされています。
つまりシャヴァーサナは、体を休ませる時間であると同時に、ヨガの効果を「体に定着させるための時間」でもあるのです。
どの表記が正しいの?
「シャヴァーサナ」「シャバーサナ」「シャバアーサナ」など、表記が少しずつ違っているのを目にすることがありますよね。
どれも間違いではありませんが、これはサンスクリット語の発音をどう日本語に置き換えるかの違いによるものです。
サンスクリット語では「Śavāsana(シャヴァーサナ)」と綴られます。
「Śa」は英語の「sh」に近いのですが、「vāsana(ヴァーサナ)」の部分は、日本語では「ヴァ」「バ」「バア」と表記が揺れやすいのです。
つまり、どの表記も同じポーズを指していて、呼び方の違いに深い意味はありません。
日本では「シャヴァーサナ」と表記するヨガ協会やスタジオが多いですね。
もし迷ったら、自分が学んでいる先生やスクールの表記に合わせるのが安心です。
シャヴァーサナのやり方とポイント

寝るだけに見えて、実は少しコツのいるポーズ。
ここでは、シャヴァーサナをより心地よく味わうための基本の入り方とポイントをご紹介します。
① 仰向けになり、全身を大きく預ける
マットに仰向けになり、脚は腰幅よりすこし広めに。
つま先は自然に外側へ向け、腕は体から少し離して手のひらを上に向けます。
肩・腰・背中など、どこにも力が入っていないか確認しましょう。
② 呼吸を意識しながら、ゆるめていく
深呼吸を数回繰り返し、吐く息のたびに体が沈んでいくイメージで緩めていきます。
どこかに力の残りがあるときは、軽く動かしてからふわっと脱力すると入りやすくなります。
③ 顔や視線(まぶたの奥)もリラックス
眉間・まぶた・歯の食いしばりなど、顔まわりは意識しないと力が残りやすい場所。
口の奥もゆるめて、やわらかい表情のまま呼吸を感じてみましょう。
④ 余計なことを考え始めたら呼吸に戻る
シャヴァーサナ中は、どうしてもいろんな思考が浮かんできがち。
そんなときは、ただ呼吸の感覚に注意を戻すだけでOK。
それが、シャヴァーサナの練習になります。
⑤ 起き上がるときは、ゆっくり
シャヴァーサナを終えるときは、まず指先・つま先から少しずつ動かしていきます。
片側にゆっくりと体を倒して横向きになり、手で床を押しながら起き上がると、急に現実に戻らず、余韻を保ったまま移行できます。
なぜ「休む時間」が大切なの?

ヨガの時間を通して体を動かし、集中している間、筋肉や神経は想像以上にエネルギーを使っています。
それを緩めずに終えてしまうと、体に残った緊張や疲れが取れず、せっかくの練習の効果が半減してしまうことも。
シャヴァーサナでは、動きで生まれた緊張を静けさの中でほどき、呼吸や心拍を穏やかに戻していきます。
まるで波立った水面が静かに落ち着いていくように、体と心が少しずつ整っていく時間。
この静の時間があるからこそ、ヨガで得た効果をしっかりと感じることができるのです。
寝てしまうのは悪いこと?

ヨガのあとに体が温まり、リラックスした状態で行うシャヴァーサナ。
ついウトウトしてしまう方も多いのではないでしょうか。
それは体が安心して緩んでいるサイン。
ヨガで集中していた心と体が、ようやくオフモードに切り替わった証拠なのです。
もちろん、理想は意識を保ったまま深くリラックスできる状態ですが、眠ってしまうことを「失敗」と捉える必要はありません。
それも、体が必要としている休息の形。無理に起きていようとせず、自分のリズムを受け入れてみましょう。
寝てしまう生徒をインストラクターはどう思ってる?
ヨガスタジオのインストラクターたちは「シャバーサナで寝る=体が緩んだサイン」として、基本的には全然OKだと思っていますよ。
ただし、本音として言うならば、
- いびきが起きるほど深く寝るのは×
- レッスンが終わって声をかけても起きないのは×
- 他の人の迷惑になるほどの寝落ちは×
くらいでしょうか。
節度を持っていてくれれば大丈夫といった感じのニュアンスです。
軽く寝てしまって先生の声でハッと起きるというのは、全然あるあるなので安心してくださいね。
日常生活でも「静けさ」を取り入れてみる

シャヴァーサナの考え方は、マットの上だけでなく日常にも応用できます。
例えば、仕事の合間に深呼吸をしてみる。家に帰ったらスマホを手放して5分だけ目を閉じてみる。
そんな小さな静けさの時間を意識的に取るだけでも、気持ちがすっと軽くなることがあります。
常に動き続ける毎日の中で、何もしないことに少しの勇気を持ってみる。
それは、自分をリセットし、また新しい時間を心地よく迎えるための準備になるはずです。
シャヴァーサナ時間を、もっと快適に・贅沢にするには
ヨガの最後に訪れるシャヴァーサナは、体を休めるだけでなく「自分をいたわる小さなご褒美時間」。
ほんの少しの工夫で、その静かな時間がより快適になります。
ここでは、自宅での練習にも取り入れられるアイテムをいくつかご紹介します。
ヨガマットは厚みと安定感で選ぶ
仰向けで過ごすシャヴァーサナでは、マットの心地よさがそのままリラックス度につながります。
体をしっかり支える厚みがありつつ、沈み込みすぎない安定感のあるタイプを選ぶのがおすすめ。
ブランケットやアイピローで安心感をプラス
体を冷やさず、光を遮るだけでリラックスの深まり方が変わります。
やさしい重みのあるブランケットや、ラベンダーの香りがほのかに漂うアイピローを取り入れてみてください。
また、ブランケットやアイピローはシャヴァーサナに入る直前、先生の誘導に合わせてそっとセットするのがおすすめ。
準備をしすぎて集中が切れないよう、自宅でもスタジオでも「さらっと整える」くらいがちょうど良いですね。
香りで呼吸を深める
香りの力で呼吸をサポートするのもおすすめです。
マジョラムスイートやラベンダー、フランキンセンスなどの精油は、心を穏やかにし、自然と呼吸を深くしてくれます。
ディフューザーやアロマストーンに数滴垂らすだけで、ヨガ後の余韻をやさしく包み込んでくれるでしょう。
まとめ:休むこともヨガの一部

シャヴァーサナは、単なる「休息」ではなくヨガの練習を完成させる大切なプロセス。
動と静、緊張と緩和。そのバランスを整える時間こそが、心身の回復をもたらします。
頑張ることも大切ですが、同じように「緩めること」も練習のうち。
ヨガの最後に訪れる静かな時間を、どうか大切に味わってみてください。








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